犬の安楽死を選んだ理由。
愛犬が骨肉腫という癌になり
最終的に安楽死という形でお別れした。
小柄な秋田犬。30キロ。メス。12歳。
3月の末に足を引きずり始めた。
でも今までもたまにあって、今までは長くても3日とかで普通に戻っていたし、病院に行っても異常はないと言われていたため、またそれかと思い様子見。
でも1ヶ月過ぎても治らないため病院へ。
レントゲンを撮ってもらった。
すると右肩に腫瘍がみつかり、おそらく骨肉腫という悪性の癌との事だった。
その腫瘍が本当に骨肉腫かどうか調べてくれる機関に調べてもらっても、やはり骨肉腫だった、との事。
先生の話では
骨肉腫は進行が早くやっかいな癌。
完治はない。
癌が見つかり平均的な寿命は半年から一年。
進行すると肺に転移する癌。
肺に転移した場合、余命は1ヶ月ほど。
選択肢は2つ。
1つ目は足を切断し、腫瘍を取り、抗がん剤治療をしていく事。
足を切断するのに30〜40万。抗がん剤は3週間に1回のペースで1回3万くらい。
金銭的にかなりかかるし、副作用もある。
2つ目は治療はせず痛み止めを飲み続け、残りの人生苦しまずに生活させてあげることを目標にする事。
だった。
もし、抗がん剤で治療しても寿命が伸びるのは平均で3ヶ月ほど。しかも副作用もあるという事で家族で話し合った結果、治療せず、痛み止めで痛みを取る選択をした。
そんな時、私が病気になり、入院、手術をする事に。
うちには未就学児が2人いて、夫1人では無理と判断。愛犬を実家に預ける事になった。
愛犬は元々実家にいて、私が結婚し実家の近くに家を借り、毎日愛犬の世話に通っていたため愛犬は11年実家で過ごしていた。
なので実家の方が落ち着くのではないか。
散歩も草むら多いし行きやすいのではないか。
風通しも良く、1日中日陰なので涼しく、環境は最高だったため、私が退院してもしばらく実家に預ける事になった。(ちなみに外犬)
でも様子を見に行くたびに悪くなってるのは明らかで、散歩も嫌がり、私や夫が行っても喜んで立ち上がる事もなくなり、あっという間に歩けなくなった。
歩けなくなったのが7月。
癌の症状が出始めてから約3ヶ月。
歩けなくなり、水も自分で飲みに行けず、ご飯も食べない。
実家の父の仕事は泊まりもあり、この時期に水を飲めないのは危険。という事でうちに戻ってきた。
(実家には父のみ)
寝たきりのため外ではなくクーラーのきいた動物部屋。
動物部屋には猫、うさぎ、小型犬がいる。
その部屋に柔らかいマットを敷き、定期的に水を飲ませに行っていた。
が、うちも共働きで日中はいない。
生活のため仕事を辞めるわけにもいかず、
まともに介護はできていない状態だった。
そして鳴くようになった
無駄吠えもなく静かな犬だったので
苦しそうにクワーックワーッと鳴くのが苦しいのか、痛いのか、呼んでいるのかわからないけど、
行くと泣き止むが行った後の鳴きが酷くなるため、行かない方がいいのかも、とも思い始め、悩んでいた。
痛みを取ってあげる事が目標なのに苦しそうで痛そうで、薬が効いてる感じはなかった。
だいぶ強くしてもらったはずなのに。
可哀想で可哀想で愛犬が1番辛いだろうけど私たちも辛かった。
ゼイゼイ言い始め、毎日鳴き、好きな時に水も飲めない、ご飯も食べられない、動けない。
母を思い出した。
母は筋肉が萎縮していく難病にかかり亡くなった。
最初は左手から。
左側が動かなくなり、右側も。そして全身。
脳はしっかりしてるのに体が動かない。
ちょっとお尻をずらす事も、ちょっと痒い所をポリッとかく事も、排泄すら筋肉なのでできなくなり、寝たきりになった。
そして喋るのも筋肉を使うため喋れなくなり、してほしい事が私たちに伝えにくくなり
かろうじて目が動かせるのでボードにあいうえお、と書き、目線でどの文字を見てるか、で伝えていた。もちろん思うように伝わらないんだけど頑張っていた。
話せるときは何度も「殺してくれ。」と言われた。
主治医に「安楽死させてくれ」とお願いもしていた。毎日泣いていた。
死なせてあげたかった。可哀想で。楽にしてあげたかった。
治らないとわかっているのに、
これからどんどん苦しくなる事しかないとわかっているのに、
助ける方法は安楽死しかないと思ったのに。
もちろん安楽死はできない。人間は。
そんな事があり、
愛犬は今母のような状態なのでは?と考え始めた。
毎日苦しくて、つらくて、楽になりたいのではないか?と。
生きていてほしい!はこっちの都合。
病気なのは愛犬。辛くて苦しいのは愛犬の方。
私たちのわがままで苦しませるのは可哀想だと思い始めた。
母は無理だったが愛犬は安楽死ができる。
家族で話し合い、楽にしてあげる事に決めた。
獣医さんに連絡し、家に来てくれると事。
お別れの日。
先生が愛犬を見て、
「これは肺に転移してるかもしれないね」と。
「酸素が足りない状態」と。
やはり苦しかったんだな。申し訳ない。と思った。
安楽死の方法。
まず点滴を入れ、麻酔で眠らせる。そのあと心臓を止める薬を入れ、心臓が止まった事を確認して終了。
点滴を入れたところでお別れの時間を作ってくれた。声をかけたかったがかけられなかった。
触る事もできなかった。
泣くことしかできなかった。
他の家族のお別れが終わり
麻酔をかけると苦しそうだった呼吸がゆっくり止まった。
でも心臓は動いているので今から心臓を止めます、と薬を入れた。
聴診器で先生が確認し、死亡が確認された。
先生が帰って、他の家族がリビングで火葬の手続きをしてる時、保冷剤を持って愛犬の元へ。
愛犬に触れるとまだ暖かく、なんか一気に色んなことが込み上げて来て声を出して泣いた。
7月28日。愛犬がこの世を去った日。
症状が出てから4ヶ月。早かった。
安楽死をした事。後悔はしてない。
安楽死に関しては色々な意見があると思う。
難しい問題だと思う。
でも私は安楽死が必要な人はいると思う。
人間の安楽死も認められてほしいと思う。
ちなみに愛犬が亡くなった次の日に火葬してくれる施設に愛犬を預けたが、
クーラーの温度を下げ(他のペットもいるため23度くらいだったかな?)保冷剤と凍らせたペットボトルで体を囲っても、臭いを発してしまった。
体液も出てきしまった。
血の混じった臭い液。
夏。しかも大型犬。
亡くなった後も結構大変。
安楽死は計画的にできるので火葬もちゃんと調べて予定立てたかったのに家族間の手違いで失敗。
まぁ、そんな事はどうでもいい。
今までそばに居てくれてありがとう。
泣いてる時黙ってただ隣に座っててくれてありがとう。キャンプや登山について来てくれて楽しかった。大好き。
お疲れ様。安らかに。。。